日本の行く道 2014 7 12
私は、2011年に「日本の行く道」という文章を書きました。
あれから3年経過しました。
たったの3年でも国際情勢は激変しました。
それでも、多くの日本人は、変わっていません。
アメリカ人のジョセフ・ナイ教授は、
日本の将来について、次のような言葉を残しています。
「日本には、三つの選択肢がある。
日米同盟の堅持・強化、
フランスのような自主独立路線、
あるいは21世紀の大国となる中国の属国化だ」
アメリカのオバマ大統領は、
「世界の警察官をやめる」と宣言し、
その結果として、ロシアは、
ウクライナのクリミア半島を占領しました。
これは、将来的には、
日米同盟が形骸化する可能性を象徴するものになりました。
(以下の「空証文 2014 7 6」を参照してください)
しかしながら、フランスのような自主独立路線も、
日本にとって、「茨の道」となるでしょう。
フランスは、核武装した上に、
エネルギーの独立を確保するために、
原発大国となっています。
多くの日本人は、平和ボケしているので、
フランスのような「決断」はできないでしょう。
さりとて、スイスのような永世中立国にもなれないでしょう。
スイスは、国民皆兵制の上に、国土が要塞化しています。
このまま何もしなければ、
ジョセフ・ナイ教授が示した最後の選択肢である、
「21世紀の大国となる中国の属国化」となるでしょう。
中国の軍事予算は、この10年間で、4倍近くになりました。
一方、日本の軍事予算は、この期間で「微増」というレベルです。
「何もしなくても永久に平和が続く」と考える空想平和主義は、
もう通用しなくなっているのです。
空証文 2014 7 6
書名 「オバマの嘘」を知らない日本人
著者 日高 義樹 PHP
はたして、日本人は、いつまで平和ボケを続けられるか。
本来であれば、日本人は、ウクライナ危機を見て、
あわてなければならなかったのです。
この本から引用しましょう。
「ウクライナの非核平和外交は無力だった」
1994年12月5日、ウクライナは、
ソ連から分離独立した時に保有していた1900発の核弾頭を、
ロシア側に引き渡す条約に調印した。
この条約は、核拡散防止条約の一部として取り扱われ、
アメリカとイギリスが、
核兵器がなくなったウクライナの安全を保障することになっていた。
つまり、この条約は、核兵器を引き渡す代償として、
アメリカによってウクライナに安全と平和が与えられるというものだった。
これで、ウクライナは、核兵器を持たず、
日米安全保障条約のもとで安全を保障されている日本と同じ立場になったのである。
(中略)
しかし、2014年、ロシアがウクライナのクリミア半島を占領した直後、
ウクライナ議会の議員は、アメリカのテレビに出演して、こう述べた。
「我々は、1994年の取り決めに基づいて核兵器を諦めたが、
あれは大きな間違いだったと、多くの人々が考えている」
(引用、以上)
世界の人々は、ウクライナ危機を見て、こう思っているでしょう。
「世界中の非難を浴びながらも、核兵器を開発した我が国は正しかった」
一方、核兵器を持たない国は、特に親米だった国は、
「たとえアメリカに反対されても、急いで核兵器を開発しなければならない」と思ったでしょう。